家庭医(総合診療医)のアタマの中〜健康・食事・運動・行動について〜

家庭医(総合診療医)として健康・食事・運動・行動変容などについて記録。「やらないといけないけどやれない人」「一歩が出ない人」の手助けができれば良いなと思ってます。一人ではダイエットが続かない、運動が続かない、スタイル維持ができないなどと悩んでいる人は是非一緒に考えませんか?

【習慣を変えよう②】わかっちゃいるけどやれないことないですか?「わかっていると思い込んでいる人」

習慣を変える=行動変容の第2弾。

行動を変えること、習慣を変えることで人生が変わっていく。

 

そんなこと誰もが頭でわかっているが「習慣」「思考の癖」は簡単には変えられない。

 

前回わかっちゃいるけどやれない人のタイプ4つを紹介した。

①わかっちゃいると思っているが本当の意味で理解していないタイプ
②わかっちゃいるけどその行動を行うメリットが実感できないタイプ。
③わかっちゃいるけどその行動を実行にうつす自信がないタイプ。
④わかっているし行動する自信もあるんだけど何故か一歩踏み出せないタイプ。

 

今回は①のタイプを見てみよう。

①のタイプは自分ではわかっていると思っているけど本当の意味でわかっていないタイプ。

 

人が行動を変えるためには、その行動がその人の中でメリット・重要性が高いのかデメリットが大きいのかで変わってくる。

極端な例で見てみると「危険ドラッグ」

周りから見るとデメリット・危険しかないように見えるが

本人のなかでは

 メリット:ストレスからの逃避、快楽

 デメリット:依存、生活の破綻

メリット>デメリット ▶︎  危険ドラッグを使おう!

このようにメリットが本人の中で大きくなったときに行動に移すようになる。

 

これまで、ダイエット、禁煙、禁酒、ジム通い、自炊・・・といろんなことにチャレンジした人も多いだろう。なかなかうまく続かない!という人は①のタイプかもしれない。

 

①のタイプは自分はわかっていると思っているのでわかっていないことに無自覚です。

こんな人が行動を変えるためにより具体的に書き出してみましょう。

 ①あなたにとってその行動を行うことはどんな意味がありますか?

   (今の認識、その行動を始めたい動機を確認しましょう。)

 ②その行動をした結果で、あなたに起こる良いこと、悪いことは何?

       (今の認識を確認しましょう。あなたの今の考え。結果がでたあとのことを想像する。)

 ③その行動をすることは一般的にどのような良いこと、悪いことがありますか?

  (知識をつける。調べて見ましょう)

 ④その行動を行うことは自分の生活の中で優先順位はどのくらい?

  (あなたにとってどれぐらい重要なのかを確認しましょう。)

 

まずは4つより具体的に書き出して見ましょう。

例えば

ダイエットを始めたい人。

①痩せることで糖尿病・高血圧・脂質異常症・肝臓の病気などの病気が良くなる。痩せることでモテるかもしれない。痩せることでイケてる服が着れる。太っていることをバカにした奴を見返すことができる!

②良いこと:買いたい服が着れる。病気が良くなる!動きやすくなる。お腹が邪魔にならない。

 悪いこと:あんまりないかも・・・

③病気(生活習慣病睡眠時無呼吸症候群、心臓病、膝・腰への負担)のリスクが下がる。着れる服が増える。異性からの見方が変わる。体が軽くなる。海やプールに行ける。

 悪いこと:運動せずに痩せたら筋肉が減って骸骨みたいに・・・。痩せ過ぎは生理不順、冷え性などが起きるのでほどほどに

④仕事>家事>ダイエット>趣味>飲み会・・・

こんな感じで書いていく。

 ①のPOINTは病気とか色々な意味を含む言葉を使わず、病気なら高血圧・脂質異常などと具体的に書くこと。

 ②・③あなたにとってのメリット・デメリットを書いた後に、世間一般に言われている本やネットなどで調べてメリット・デメリットを書くこと

  あなたの認識と一般的な認識のズレはどうか検討する。ネットの情報には怪しい物もあるので注意すること。

 ④普段の生活を思い起こしながらよくする行動に優先順位をつけていき、あなたがしたいことがどのぐらい重要なのかを自分の中で順位づけする。

 

 どうしてもダイエットが続けられない、生活習慣を変えることができないという人。あなたは①のタイプかもしれません。ぜひ4つのステップを試して自分が正しく現状を理解できているのかを確認してみましょう。