家庭医(総合診療医)のアタマの中〜健康・食事・運動・行動について〜

家庭医(総合診療医)として健康・食事・運動・行動変容などについて記録。「やらないといけないけどやれない人」「一歩が出ない人」の手助けができれば良いなと思ってます。一人ではダイエットが続かない、運動が続かない、スタイル維持ができないなどと悩んでいる人は是非一緒に考えませんか?

「月曜断食ダイエット」について

 

家庭医のMasaです。

わかっちゃいるけどできない人シリーズは気になった話題があったので休憩。

気になった話題というのは<月曜断食ダイエット>

確かにラマダーンは心身ともに良い影響を与えるといった論文があったような気がする。

朝のテレビで月曜断食ダイエットで痩せたというのをやっていたので中身を検証してみた。

 

 

ネットで月曜断食に関して情報を集めて見た

月曜断食の基本メニューは

月曜 断食

火曜日〜金曜日 良食と言われるメニュー

 朝 ヨーグルトや果物

 昼 おかずのみ(好きなものでOK)

 夜 夜野菜スープやサラダなどの野菜料理。アルコールはチューハイやワインなど糖質の少ないもの

土日 美食 好きなものを食べて良い。朝昼は1回食べる量はこぶし2つ分まで。夜はなんでもOK

 

検証(私独自の意見です)医学的なエビデンスはまだ調べ中。

よく考えられているというのが第一印象。

メリット

①断食に注目されるが、良い点は良食

 そもそもダイエットをしようと思う人はカロリーを取りすぎている人が多い。

そこで断食に意識を向かわせつつ、火曜日〜金曜日の良食で継続したカロリーコントロールを行なっている。また、アルコールも何気にワイン1杯などと制限している点もうまく意識を誘導して受け入れやすくしているなという印象。

 また昼をおかずのみにすることで断食後にカロリーオーバーになりやすい米などの炭水化物を減量し、さらに夜も野菜料理を中心にすることで炭水化物が進みにくい食事を設定しているため自然とカロリーコントロールを受け入れやすくしている。

②土日の美食

 2点目は土日の美食。

 一見なんでも食べて良いとされているように見えるが、実は「こぶし2つ分の量」というのがPOINT。なんでもといいつつ食事量を制限して食べすぎを制限している。また、夜になんでも食べて良いとしている点もPOINT。ご褒美効果と翌日に断食が待っているため食べすぎても頑張れるため「飴」と「鞭」の効果があるのだろう。

③断食によるダイエットという意識づけ。

 これまでの検証でわかるように中身は食事療法によるダイエットなのだが、1日断食するという目標を持つことで実施する人は断食を頑張って、胃や腸の負担を和らげるために平日は軽めにと言った行動変容が起こるように仕向けられている。また、土日に食べすぎたとしても月曜日に断食を行うことで食べたいという意識のリセット、罪悪感を薄める、食べるからダイエットへの意識の切り替えの役目も担っているのだろう。

④食生活改善による体質改善

 体質が変わったと言ったコメントも見られるが、断食による影響というよりは今までと違う食生活を行うようになった影響が考えられる。

 

気になる点

①炭水化物が少なくなりそう。

 ダイエットを行う上で「米」「パスタ」「パン」などの炭水化物が原因でカロリーオーバーになることがある。いわゆるこのダイエットも糖質制限のような食事療法である。炭水化物は決して悪者ではなく、人には必要なもの。エネルギーとして不可欠なものではあるので、同時に正しい取り方を学んでいく必要があるだろう。

 

②代償行動

 ダイエット〜・トクホのお茶などを飲んでいる人は起こりやすい。これをやっているからこれぐらい大丈夫と言った代償行動が働く。これぐらいがどんどん積み重なって言ってやめられなくなることはよくあることだ。

 断食をやっているから大丈夫。は危ないかもしれない。

 

 繰り返しになるが全体的によく考えられている印象。うまく意識誘導して食事療法を受け入れやすくされている。このダイエットが話題になっている点として、やはりダイエットに「楽して頑張って痩せる」ではなく「楽しみながらいかに悪い習慣を良い習慣に変えていくか」「極端な制限ではなく、バランスよく食事を摂取していくか」が大事なのだろう。

 

ダイエットは「短期集中で頑張る」ではなく「ゆっくり長期間、少しの頑張りで続ける」が大事である。