しっかり食べてダイエット「スマート和食」
ダイエットを行うためによく言われるのは「食事制限」
この「食事制限」という言葉、僕はあまり好きではない。
そもそもダイエットが必要な人はカロリー摂取が多い場合ほとんどである。
そもそもカロリーが多いものを適正にするだけで体重は落ちていくので「制限」ではなく「適正化」が正しいと思っている。
極論を言うと、適切なバランスで適正のカロリーを摂取していれば、〇〇制限ダイエットは必要なくなる。
そんなことを言っても適切なバランス・適正なカロリー摂取が一番難しいし、そもそも食べ過ぎていた人からすると「適正化」も「制限」になってしまうのである。
今日取り上げるのは「スマート和食」
花王が提唱している食事療法で以下の通りにホームページに記載されている。
花王の内臓脂肪研究から見出された「内臓脂肪をためない食事の“質”」のポイントは、次の3つです。
○内臓脂肪をためない食事の“質”3つのポイント
【ポイント1】脂質を減らしてタンパク質を増やす
【ポイント2】糖質をとるなら食物繊維を一緒に
【ポイント3】脂質をとるならオメガ3
この3つのポイントを、難しい栄養計算をせずに日々の食卓で実践するガイドラインが「スマート和食の食事5か条」、内臓脂肪をためない“くらし方”をまとめたものが「スマート和食のくらし方3か条」です。
○「スマート和食」の食事5か条: ひとつでも実践すると、太りにくい食事の“質”に近づきます。
1.【食卓の工夫】毎食ご飯を中心に、主菜1皿と副菜2皿をそろえる。
2.【主菜の工夫】魚と大豆製品は、それぞれ1日1回ずつ食べる。
3.【主菜の工夫】肉は低脂肪のものを選ぶ。
4.【副菜の工夫】旬の野菜、きのこ、海藻、芋、豆、果物などをまんべんなく食べる。
5.【調理方法】油脂を使った料理は1食1皿
ドレッシングやマヨネーズ、揚げ物は極力控える。塩分の取り過ぎにも注意。
○「スマート和食」のくらし方3か条: しっかり食べて、太りにくい“くらし方”
1.【時間】朝食は午前8時まで、夕食は午後8時までにとるのが望ましい。
2.【間食・飲酒】お菓子やアルコールを1日の総摂取エネルギーの1割以下
(目安:男性;約250kcal、女性;約200kcal)
3.【調整】週に1回は体重を測定
私が考えるこの食事療法のポイントは脂質を減らすことでカロリーを減らしつつ、糖質やタンパク質、食物繊維をバランスよく摂取するように促している点がポイントであると思われる。
現代社会では食事の西洋化にともない、脂質の摂取量が多くなってきている。また主食は肉が多くなり魚が減り、揚げ物・炒め物により脂質の摂取量が増え、パスタ・オムライスなどのように炭水化物の摂取量も増えており、野菜の摂取量が減る傾向にあるため、昔にくらべ太りやすい食生活となっている。
また、脂質も必要以上の制限ではなく、オメガ3系脂肪酸の摂取を推奨している点もポイントだろう。下記に記載しているようにオメガ3系脂肪酸を取るためには肉ではなく魚をとらなければならないため、オメガ3系脂肪酸を摂取しようとすれば魚食を取ることになり、(主菜を1食で1種しかとらないのであれば)必然的に肉料理が減り、全体のカロリー摂取も適正に近づくだろう。
*オメガ3系脂肪酸とは
オメガ3系脂肪酸とはαリノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)が該当する。
αリノレイン酸は亜麻仁油やエゴマ、ナッツ、チアシードなどに含まれる
EPAは青魚である鯖、いわし、さんまなどに含まれる
DHAはカツオ、マグロなどの魚介に多く含まれる。
オメガ3系脂肪酸は中性脂肪を低下させることで血液サラサラの効果がある。
ちなみにその他人が作ることができない脂肪酸としてオメガ6系脂肪酸のリノール酸などが該当し、血中コレステロールを下げる言われ、「コーン油」「ダイズ油」などに含まれる。
また、体にいいと言われる油「オリーブオイル」はオメガ9系脂肪酸であるオレイン酸などが該当し、LDL(悪玉)コレステロールを下げる効果がある。その他には「菜種油」「べに花油」「アボガドオイル」などに含まれる。
現代社会ではオメガ6系脂肪酸は菓子・パン・ファストフード・加工食品などから過剰に摂取していることが多いため、意識してオメガ3系脂肪酸の摂取を進めることでオメガ6とオメガ3のバランスを取っていくように働きかけているのである。
この食事内容を見てもわかるように「しっかり食べること」≠「たくさん食べること」である。
オリーブオイルもたくさん食べすぎるとカロリーが多くなり、悪影響となる。
また、極端な食事制限を行なっても一時的には行えるが、一生は難しいだろう。
食事は一生、生まれて死ぬまで行う行為である。極端な制限や何かを過剰に摂取するのでもなく「ほどほど」に「バランスよく」摂取することがダイエットの成功の鍵である。